認知症女性柳田三重子さん、NHKスペシャルの放送により身元が判明し、7年ぶりに夫との再会を果たしました。
身元判明と同時に問題になったのは、柳田さんのそれまでの施設の利用料です。
7年前に施設に入居した時の柳田さんは要介護3レベルでしたが、数年前より要介護5となり、今は寝たきりの状態になっています。
その間、約1000万円の費用がかかっていたと算出され、その請求をどうするか、という論議がありました。
柳田さんは、身元不明人として、館林の住民票を取得し、収入のない住民に対しての生活保護として扱われてきました。
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しかし、身元は判明し家族に資産や年金がある場合には、家族に費用は請求されることになります。
これは、認知症による徘徊で身元不明の人が増えている現状で、身元が判明した場合には、今後どうのような対応になるのかの一つの事例になるため、慎重な論議が必要とされてきました。
しかし、身元判明から4日後の5月16日、館林市は市が負担した費用は、請求しない特例措置として対応するとの方針を発表しました。
館林市からは、「人命を守るのは当然の責務であり、認知症の問題は、社会全体で考えるべき問題。人道的見地から、請求すべきでないと判断」とのコメントがあったようです。
認知症による徘徊、事故、事件は、これからますます増えてきます。国として、この問題をどうするか、どういう対応で国民をフォローするのか、具体的な解決策が示されない限り、さらに複雑な問題がでてくることも考えられます。
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かつて観た映画「楢山節考」のような社会観が、今、介護施設に起きているのではないのだろうか・・と一抹の不安を感じるばかりです。