突然死にかかわる病気として、心臓、脳、血管の病気があります。

いずれも「生命」を維持するための絶対的な機能をもっているため、それが止まると即、「死」に繋がってしまいます。

特に心臓の機能は、代替え機能がないため一度壊れると、根本的な治療は難しいと言われてました。

心臓病

しかし、今注目の再生医療が心臓の分野でもスタートし、弱った心臓を回復できるようになってきたのです。

この最先端の医療技術を成功させたのが、大阪大学の澤芳樹教授です。心筋シートによる心臓再生医療の世界の第一人者です。

心臓の筋肉となるのは、脚の筋肉にある「筋芽細胞(増殖して筋肉になる細胞)」です。

その筋芽細胞を培養してシート状にし、それを何枚も重ね合わせて「筋芽細胞シート」をつくります。

その「筋芽細胞シート」を心臓に貼り付けると、心臓の筋肉の一部となり弱った心臓の機能を回復することができるのです。

この医療技術は、2015年9月に再生医療製品として薬事承認が得られ、2016年5月から保険診療が始まりました。

今、世界中の心臓病患者に期待されている、最先端の治療法なのです。

9月1日放送 フジテレビ「その原因、Xにあり!」では、心臓の再生医療の最前線を紹介されました。

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22歳の女性が突然心筋梗塞

北海道で育った彼女は、高校時代はバスケット部に所属し病気知らずの健康体でした。

22歳の時、東京にでて生活をはじめたとき、突然、息苦しさ、倦怠感、違和感を感じるようになりました。

その後、胸に激痛が走り病院に運び込まれました。調べたところ、心筋梗塞を発症していました。

原因は、口の中の細菌が歯茎から入り、細菌の固まりが冠動脈をつまらせ、心臓に血液がいかず心筋梗塞を起こしていたのです。

8時間に及ぶ大手術により一命をとりとめたものの、心臓のポンプ機能は1/4になってしまいました。

回復させるには、心臓移植しかないとさえ言われました。

「娘に元の生活を取り戻させてあげたい」父親は、あらゆる情報を調べます。そして、大阪大学の澤芳樹教授「心筋シート」による治療を知りました。

澤芳樹教授にすぐに連絡し、「心筋シート」による再生治療を受けました。

心臓に貼り付けられた心筋シートは、心臓に新しい血管をつくるように促すようになります。

その結果、心臓に栄養が行き渡るようになり、心臓のポンプ機能が改善するのです。

患者自身の細胞を使うため拒絶反応がなく、心臓移植のような免疫抑制剤を使う必要もありません。

2014年11月に手術をして3年が経過。彼女の心臓のポンプ機能は、手術前の2倍まで回復したそうです。

彼女は、心筋梗塞を起こす前の7割までの元気を取り戻しているといいます。

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「心筋シート」による治療は、2016年より保険適用になりました。

沢教授は、さらにips細胞による心筋シートの研究を続けているそうです。