定年60歳って聞いても、40代や50歳中頃までは、なかなかピンとこないものです。
退職後の計画は?と聞くと、「好きな趣味をしてゆっくり過ごしたい・・」「車に乗って日本一周したい・・」「田舎でのんびり暮らしたい・・」など、漠然としながらも、皆さんそんなイメージを持っています。
「定年退職か、延長雇用か」の決断を迫られる57歳頃になると、真剣に考えるようになります。
現在、公務員は無条件に60歳定年ですが、一般企業に勤める人の多くは64歳までの雇用延長を選ぶことができます。
「定年どうするの?」が、友人たちや同期への挨拶代わりとなり、皆んなの動向を探りながら、なんとか自分の計画を立てようと考えます。
しかし、具体的なプランを持って定年後の準備をしている人は、なかなかいないものです。
「60歳か、64歳までか」は時期だけの問題であって、大切なのは「定年後に何をして生きていくか」なのです。
そんな悩める定年世代に向けての企画記事が、文春9月5日号で組まれました。
題して『定年後に輝くための7か条』です。60歳で生命保険会社を止め、執筆業をはじめた楠木新氏が、自らの経験や同僚たちの生き方をまとめ記事にしています。
楠木氏が指摘した定年後に輝くための7カ条とは
楠木氏は、「定年後は好きなことを思い切りやる」など曖昧な計画では、すぐに行き詰まってしまうと指摘しています。
ではどう考え、どのように行動すればよいのでしょうか。楠木氏は「定年後に輝くための7カ条」を次のようにまとめています。
第1条.退職3年前には準備を始める
何かの区切りがつくまではだいたい3年かかるので、退職後にスムーズにスタートさせるには3年前から準備しておくべき。
第2条.お金がもらえる趣味を探す
わずかでもお金をもらえる趣味をもつこと。お金をもらうということは社会とつながりがあるということ。モチベーションも全然違う。
第3条.同窓会で子供時代の自分を発見
人間のべースは、子供のときも大人になってもほとんど変わってない。子供の時分を知っている同級生に聞いてみると、意外な自分発見がある。
第4条.若い頃は趣味より仕事
若い頃頑張っていた人は、退職後にも輝くことができる。だから在職中は、仕事に本気で打ち込んでいるべきである。
第5条.個人事業主に学ぶ
会社員は、会社という組織で社会と繋がっている。退職後は、個人で社会とつながらなくてはならない。個人と社会とのつながり方は個人事業主から学ぶ。
第6条.ロールモデルを探す
こうなりたいと思っている人を探し生き方を真似てみる。ただし、スティーブンジョブスなどと言わないで、手の届く人を手本にすること。
第7条.自分を変えるのはムリ
自分というものは、そう簡単に変えられない。退職後は変身して・・などと考えるより、自分の持っている能力を活かせる場所を探すほうがよい。
楠木氏は、人生は後半が勝負といいます。60歳からは、家庭の扶養義務もなくなり、自由に生きれる可能性のある最期の時期となります。
60歳の定年後から、他人の支援や介助を受けなくて済む75歳までは、「黄金の15年である」と楠木氏といいます。
確かに、「黄金の15年」を、どのように生きるかが人生のすべてかもしれませんね。
それまで、いかなる苦労があったとしても、「最期が輝いていれれば幸せな人生」といえるでしょう。
まさしく人生は、『終わりよければすべてよし』では、ないでしょうか。
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現実は生活費を切り詰めお金がかからないことで時間をつぶす!
60歳で退職した友人や先輩達に近況を聞いてみると、「散歩、家庭菜園、図書館」の回答がほとんどです。
というのは、自分の自由に過ごすためのお金がないからです。
「退職金ももらえて、悠々自適の生活では・・」と思いきや、最近は退職金の額も減り、年金の満額受給年齢も繰り延べされているため、かなり大変だとか・・。
年金が満額もらえるのは65歳。それまで貯金を切り崩して生活していかなくてはなりません。
退職金で子供の学費ローンを返し、住宅ローンの残金を払い、親の介護費用を捻出しながら、無収入で4年間暮らすのは大変なことです。
月25万円の生活費がかかるとして年間300万円、4年で1200万円が必要となるのです。
それに加え、子供の結婚資金、孫達へのお祝い、親の介護費用、自分たちの老後資金など、今後ことも考えておかなくてはなりません。
「自分の好きなことをやって優雅に暮らす・・」など、とてもとても、夢のまた夢という感じの暮らしだそうです。
退職後も収入を得てアクティブな人生を過ごす
実際に退職後に余裕のある老後生活を送れる人は、ごく一部です。
現実は、「生活費を切り詰め、お金のかからないことで時間をつぶす・・」という人がほとんどです。
これでは、「黄金の15年」が「情けない15年」で過ぎていき、人生もあっという間に終わってしまいます。
何とかするには、やはり収入を得ながら暮らすことが一番。つまり、楠木氏の7カ条のうちの「第2条 お金がもらえる趣味を探す」です。
最近は、自分の能力を登録してネットで仕事を請け負うことができる「クラウドワークス」、「ランサーズ」、「ココナラ」などの仕事発注システムで、比較的カンタンに仕事を得ることができます。
また、人手不足のため元気な高齢者の需要も増えています。仕事探しも、ジョブセンスなどの求人情報サービスで簡単に見つけることができます。
仕事は、これまでの経験を活かした仕事が理想ですが、そうでなくても社会とつながりながら報酬をもらうことは、やりがいにもつながります。
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少しでも自分のお金が得られれば気分も行動もまったく違ってきます。仕事のない日には趣味をしたり、旅行に行ったりと人生に余裕もでてきます。
毎日家にいて家族に疎まれる人生と、どちらを選びかは、あなた次第です。