私たちの子供の頃は、戦後まだ10年程度しかたってない時期。食事も質素で、その頃太った人は、ほとんど見かけませんでしたよね。
それが、いつの間にかメタボの人であふれ今では、小学生にも肥満が拡がっています。
人の歴史は、飢餓との闘い。そのため、次の飢餓にそなえカロリーの高い甘いものを身体に貯め込む習性があるようです。
つまり、人間は、甘いもの大好き!だから食品の色々なものに糖が入っています。
ケーキやお菓子はもちろんのこと、ペットボトルにも糖分がたっぷり。なんと、コーラー350mlには、角砂糖10個分が入っているそうですよ。
今回は、自然界に存在する「希少糖」という糖類を38年わたり研究を続けてきた、香川大学 何森(いずもり)健先生の話です。
希少糖は、甘さは砂糖の7割、カロリーは砂糖の1/10というものでこれまでの技術では、なかなか作り出せないものであり、希少糖の研究なんて意味が無いとも言われてきました。
しかし、何森先生は必ず人の役立つことを信じ研究を続け、希少糖の量産化についに成功します。そのポイントは、なんと、学校の食堂裏の土の中にあったそうです。
今、希少糖は、血糖値を抑え肥満を改善し、がんの抑制効果も期待できると世界中から大注目されています。
希少糖の大量生産に成功
何森先生の研究所は、高松市から内陸に30km離れた廃校になった小学校にあります。
三木町希少糖研究研修センターには、世界各国の学者が集まり、国際希少糖学会も開かれます。
研究所で働くのは、近所のおじいちゃんやおばあちゃん。彼らは希少糖をつくる植物ズイナを培養して、研究を支えています。
●夢の糖と言われる希少糖の効果
①メタボ抑制効果
・・スッキリした甘さでカロリーは砂糖の1/10 脂肪の蓄積を抑えてくれる
②ガン細胞の増殖抑制効果
・・肝臓がんの細胞に希少糖を加えると増殖は半分になった
③無害な農薬
・・稲の葉に希少糖を与えると病気に強く人体に無害の農薬の可能性
糖には、サトウキビからつくる砂糖、果物が作る果糖、でんぷんからできるブドウ糖があります。希少糖は糖全体の0.1%にも満たない量しかありません。
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希少糖がなぜ自然界に少ないかというと、植物から必要ないと判断されたからだそうです。
現在、希少糖の価格は1gで1万円。砂糖は0.2円、果糖は0.6円と比べるといかに高いかわかりますね。
この希少糖を大量生産することに、何森先生は世界で初めて成功しました。
つくっているのは、D-プシコース。果糖にバイオを加えると希少糖が生まれることを発見、この技術で量産が可能になりました。
何森さんが希少糖の研究を始めたのが、38年前。香川大学で微生物を研究している時だそうです。誰もやってないことをやると決意して「希少糖」を選びました。
しかし、誰もが希少糖の存在を感じませんでした。研究成果を論文発表しようとして、必要性ないと拒否されたそうです。
その希少糖は、フィンランドから火がつきました。同じく希少糖を研究していたフィンランド・アアルト大学のマッティ・レイソーラ教授が、希少糖の一種キシリトールを世に送りだし、虫歯菌を抑えてくれるということで大ブームになります。
レイソーラ教授と何森教授は2000年に出会い、2人で国際希少糖学会を立ち上げます。
今、希少糖の可能性はどんどん広がり、世界中の食品、医学界から注目されています。
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『挫折が夢を大きくする。克服すれば新しい夢が生まれる』何森(いずもり)健先生の、長年の夢の扉が開こうとしています。