これまで食用としては見向きもされなかった赤毛和牛を、霜降り肉に負けないジューシーさと芳醇な香りに変えたドリームメーカー農産物流通コンサルタント山本謙治さん。

日本人にとって牛は、田畑を耕し生活を支えてくれる家族同様の存在でした。しかし、労働力が機械に変わり、牛は食肉用として飼育されるようになりました。

日本には、黒毛和牛と赤毛和牛がいるのですが、品種改良で霜降り肉に生育できる黒毛和牛に比べ、脂身の入りにくい赤毛和牛は「ボソボソでかたい」と見向きもされず、ついに牛全体2%と、絶滅の危機になるまで激減してしまいました。

そこで立ち上がったのが、農産物流通コンサルタント山本謙治さん(42)。赤毛和牛を蘇らせようと、うまい肉づくりに挑みはじめます。

注目したのは、カビの力を利用した肉の乾燥熟成法「ドライエイジング」。

ドライエイジングとは、温度を0~4℃、湿度80%前後の庫内に肉をおいておくと酵素等の働きで肉の繊維が壊れ、旨味が増しに肉が柔らかくなっていく製法。

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赤毛和牛をドライエイジングで熟成させるには、一筋縄には行かなかったようです。

酵素の役目をするカビがうまく作用せず、1000人分もの肉を、腐らせてしまうこともあったそうです。

「ニッポンの“佳き食文化”を守りたい」という山本さんの思いがついに結実し、霜降り肉に負けないジューシーさと芳醇な香りのある赤毛和牛の熟成肉を完成させました。

そして1年、“熟成肉”は、いっきにブームに。食べた人は、その味覚に経験したことのない感動を覚えたそうです。

山本さんがもう一つ取り組んできたのが、高知県「土佐あかうし」の復活。取り組んで5年、子牛の競りの市場で「土佐あかうし」に驚きの価格が・・。

「社会全体がよくなる食のあり方を実現したい」「食を通じて日本を変える」山本さんはその夢を一生追い続けたいと語ります。

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●赤毛和牛の食べれるお店
・VACCA ROSSA  イタリアンレストラン
東京赤坂 TEL:03-6435-5670