がんの中でも5年生存率がもっとも低い部類に属する、胆管がん。
早期発見が難しく、発見されたときには、がんがかなり進行し転移してしまっており、また有効ながん治療薬がないなどが生存率が低くなっている理由です。
5年生存率は20%程度しかなく、化学療法も放射線治療もあまり有効ではないとされています。
この超難関の手術に挑むのは、名古屋大学教授 消化器外科医・梛野正人(なぎのまさと)医師です。
梛野先生は、肝胆膵疾患、胆道癌、膵臓癌、胆管がんの分野の名医として、世界的に名が知られているスーパードクターです。
肝臓から十二指腸まで胆汁を運ぶ通り道で、胆管、胆のう、乳頭部を合わせた部分を胆道といいます。
胆管の部分にがんが発生してしまったものが、胆管がんです。
がんの進行度に加え、できた場所が肝臓に近い部分であればあれるほど、手術が難しくなります。
患者は、胆管がんとして余命宣告を受けていた男性です。患者の完治を目指し、梛野医師のメスが走ります。
TBS「スーパードクターズ」では、梛野正人医師の手術に密着取材し、その驚くべきテクニックの一部始終が紹介されました。
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「神の手脳神経外科医・福島孝徳医師 12歳の超難関手術に挑む」はこちらで紹介しています。
末期の胆管がんを救う名古屋大学 梛野正人医師
胆管がんは、任天堂の岩田社長、女優川島なお美さん、柔道の斎藤仁さんの命を奪った難しい病です。
胆管がんは胆管にできた腫瘍で
・原因不明
・自覚症状がない
・早期発見が難しい
のが特徴です。
胆管がんが発見され余命1年と言われた患者さんが最後の望みを託して訪れるのが名古屋大学の梛野(なぎの)先生です。
胆管がんの手術をする患者さんは、手術の準備として、黄疸や肝機能障害を防ぐため胆汁を体外に排出させます。
しかし、胆汁は消化を助けるなど重要な働きをします。そこで排出した胆汁をまた体内に戻すために口から飲みます。
胆汁は非常に苦いですが飲むことで腸内の働きを促し、手術後に感染性合併症の発症を抑えることができます。
また、手術後の体力維持のため病院内を1日1万歩歩きます。
このような準備をした後、いよいよ手術に臨みます。
TVで紹介された難しい胆管がん手術は、ガン発見まで2時間、ガンを綺麗に取り除き終了するまで6時間かかりました。
梛野(なぎの)先生の手術は丁寧なのに素早いのが特徴。その技術を学びに海外からもたくさんの医師が訪れます。
62歳となった今も、週に1度、年間50件以上の手術を行っています。
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胆管がんの5年生存率は全国平均21.1%ですが、名古屋大学は39%と高い生存率を誇っています。
ひどい症状の人が先生の手術後に5年10年と生きていることが良くあります。外科医師冥利に尽きると梛野(なぎの)先生は言います。
医師も患者も諦めない気持ちが大切なんですね。