いまやガンは治る病気と言ってよいほどものすごい勢いで検査や医療の進化を遂げています。それでも、日本人の死亡トップに君臨するガン。
国民の2人に1人はガンで亡くなると言われた時代から、これからどのように変わっていくのでしょうか。
L4YOUでは、がん研有明病院副院長の山口俊晴先生が、がん検診、がん治療の最前線を詳しく紹介してくれました。
今までガンと言えば大きく切って取り除くというイメージでしたが、がんも内視鏡で取れる時代になりました。
お腹を切るより内視鏡でがんを取り除いた方が、術後の回復が早く、患者さんの身体に負担がかかりません。臓器はなるべく残し、ガンのみを切除する方法ですね。
今までのガイドラインでは、内視鏡手術では2センチ以下のガンに限られていましたが、「ESD」と言う手法を使えば粘膜癌に限り、2センチ以上でも可能になりました。「ESD」とは、内視鏡による電気メスで胃の粘膜をはぎ取る治療法です。
ESDで手術した場合、胃の切除をしないため、術後5日後には、普通に食事ができるようになるそうです。
山口先生は、胃がんの腹腔鏡手術で最低限の傷で済む「完全鏡視下手術」を行っています。
これらの内視鏡手術は、ITナイフを自由に使える技術の習得が容易でなかったため、難しいと言われてきましたが、現在は、増えているようです。
それでも、医師のスキルが要求されますので、経験数の多い病院を選ぶと良いですね。
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5大がん検診&最新治療
大腸がん
大腸がんの症状は、便秘や血便などの症状が出たときはすでに進行している場合があります。そこで、症状が出る前の初期段階で見つけることが大切です。
●大腸内視鏡検査 25000円
映像がハイビジョンになり5ミリ以下のガンでも発見できます。数ミリ以下なら、検査中に取り除くことも可能です。
●バーチャル内視鏡検査 30000円
内視鏡検査には抵抗があると言う人は、バーチャル内視鏡があります。死角になる大腸のひだの裏側までくまなく検査できるのが特徴です。ただし、検査の精度で言えば、大腸内視鏡のほうが良いそうです。
●がん遺伝子検査
血液や細胞の検査でがんになる可能性がわかります。
肺がん
日本で一番死亡者が多いのは、「肺がん」です。肺がんの主な初期症状は、慢性的なせきや、胸の痛み、息苦しさなどです。
肺の入り口近くにできるのが、たばこが主な原因のガンです。肺の奥にできる「腺がん」は、喫煙などに関係なくたばこを吸わない女性に多いそうです。
肺がんの女性の8割が非喫煙者だそうですから、たばこを吸わないからと安心できませんね。
●ヘリカルCT検査 18000円
腺がんは、X線検査ではほとんど認識できないガンです。らせん状に切れ目なく撮影できる「ヘリカルCT検査」なら腺がんははっきり映し出されます。慢性的な咳など気になる症状があれば、ヘリカルCTスキャンを受けると良いですね。
●肺がんの胸腔鏡手術
身体への負担が少なく、術後1週間で退院できます。ただし、手術には、高いスキルが必要なため、行っている病院は限られるそうです。
乳がん
自己検診でしこりが発見されたときは、
進行している場合があり、
初期段階で発見するには画像診断が必要です。
●マンモフラフィ
乳がんで一般的な検査です。しかし、乳腺密度が高いとがんが見つけにくい傾向にあります。そこで、合わせて乳腺超音波検査をすれば安心です。
●乳腺超音波検査 13000円
マンモグラフィーでは発見しずらい乳がんも病変が黒く映るため、状態を判別しやすいのが特徴です。
子宮体がん
子宮体がんの原因は、女性ホルモンの乱れ、特に閉経後の方で不正出血が続く場合は要注意です。
胃がん
初期症状は、胃痛・胸焼けなどの胃炎の症状です。胃がんの原因のほとんどは、ピロリ菌と言われています。若いうちにピロリ菌を駆除すれば、胃がんの可能性はかなり低くなると言います。
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●ピロリ菌駆除(自己負担6000円)
抗生物質を1週間飲み続けるだけでOKです。昨年から保険適応になりましたので、自己負担6000円程度で駆除できます。